ミトコンドリア。
昨今の健康ブームで、ミトコンドリアという単語を10年前よりかなりの頻度で聞くようになりました。
しかし。あれ、結局ミトコンドリアってなんなんだっけ。昔生物で習った、あの緑色の、、、
わたし自身も最近になって、ミトコンドリアの重要性をやっと理解しました。そして、ひしひしと実感しております、ミトコンドリア、とても大事です。
わたしたちの体の中にごまんといるミトコンドリアについて知っておくことは、“Know yourself” 自分を知る、という自己鍛錬の中で、かなり重要になってきます。
ミトコンドリアを一言で表すなら、わたしたち人間の体の「エネルギー工場」です。
わたしたちが日々活動できる源であるエネルギーの9割以上が、このエネルギー工場で作られています。
これはエネルギー工場内の経路図です。
エネルギーの原料は、わたしたちが食べたものです。食事の中の糖、脂質、タンパク質はそれぞれ分解され、ミトコンドリア(エネルギー工場)の中に入ると、この工場内のルートに従っていろんなものにくるくる形を変え、最終的にエネルギー工場の中核にあるターボをガンガン回すことで、わたしたちの活動の元になるエネルギー(ATPと言います)が作られるのです。
このエネルギー工場があるから、わたしたちは日々活動できるのです。もし、このエネルギー工場がうまく機能しなかったら?わたしたちは朝からぐったり、全くやる気が起きず、疲れたーが口癖となってソファーやベッドでゴロゴロ、全く活動なんてできません。
そう、昨今、この「ミトコンドリア機能不全」によって、エネルギー切れの人たちがとっても多いんです。
基本的に、寝ても寝ても疲れが取れない、朝からだるい、などといった「慢性疲労」は、このエネルギー工場がうまくエネルギーを作れていない可能性がほとんどです。
さて、それではこの「ミトコンドリア機能不全」、言い換えると「エネルギーの作れていないエネルギー工場」の状態は、どうして起こるのでしょうか。
①原料となる物資が届かない
糖質、脂質、タンパク質、それぞれエネルギー工場には必要です。少し前、糖質制限が流行った名残からか、いまだに糖質量が不足している方が見受けられます。お米をしっかり食べましょう。タンパク質も肉、魚、大豆、卵、野菜などからしっかり摂りましょう。脂質は、良質なエネルギー源となるオメガ3、オメガ6を摂りましょう。
②エネルギー工場内の人手不足
ここでいう工場内の人手不足とは、工場の中の各ルートを担当する酵素(タンパク質)や補酵素(ビタミン、ミネラル)のことです。細かく説明すると膨大になるので一旦省きますが、各ルートでこの酵素、補酵素がないと、ここで止まってしまってその後のルートに進まないので、エネルギーが作られません。
酵素は主にタンパク質から作られるので、タンパク質不足だとうまく働きません。
補酵素は多岐に渡りますが、ビタミンB、ビタミンC、鉄、亜鉛、マグネシウムなど、各ルートによっていろんなビタミン、ミネラルが関わっています。
取り急ぎ人手不足を解消したい!と言う場合は、
- NAD 2.CoQ10 3.鉄 4.マグネシウム
を摂ると、効率よく工場が稼働してくれます。
③そもそもエネルギー工場の数の不足
エネルギー工場は巨大な工場が一つどすんと構えているわけではなく、人間の体のあらゆるところに分業体制でたくさん造られており、工場同士協力し合って、日々の活動エネルギーを作っています。工場の数自体が少ないと、十分なエネルギーが作られません。
工場が少なくなってしまう原因としては、運動不足、感染症にかかった後(アフターコロナは工場激減した方も多いです)など。工場の数を増やすには、運動、寒中水泳やサウナ+水風呂、高地トレーニングなど10度以下の環境に一定時間いること、そして絶食(ファスティング)などが良いと言われています。
このほかにも、例えば腸内環境が悪く、カンジダ菌が過剰増殖しているとエネルギー工場に邪魔が入って稼働中止になったり、マグロを食べすぎて体内に水銀が溜まると工場がストップするなど、工場がうまく稼働しなくなる原因は多岐に渡ります。
ご自身のエネルギー工場がうまく稼働しているか?知らない間に職員ボイコット、工場閉鎖?!が疑われる方は、ぜひミトコンドリアの機能を調べる「有機酸検査」という尿検査をされることをおすすめします。
ちなみにこのエネルギー工場であるミトコンドリア、人間の体の各細胞に満遍なく存在していますが(工場のない臓器も一部あります)、特に工場の分布が多い臓器があります。
それは、脳、筋肉、卵子です。
特に卵子には、それだけで10万個ほどのミトコンドリアがあると言われており、それだけ卵子というのはエネルギー需要が高い臓器だといえるのです。
近代化に伴って、不妊治療も少しずつ発達してきていますが、この不妊の原因の多くは「ミトコンドリア機能不全」であることが言われています。
慢性疲労から不妊まで。近代化が進み、溢れかえる物質と情報の中で生きるわたしたちは、今こそ自分自身のミトコンドリアと向き合う必要があるかもしれません。